ここ数年の人気補助金であるIT導入補助金が、今年もシーズンが近づいてきました。先日、ITベンダー向けの説明会がありましたので、概要をお伝えします。
補助金の説明会の冒頭の挨拶で、「さあ、みなさん!これからバンバン営業をかけてください!」とありました。この言葉が、この補助金の性質をよく表していると感じます。
制度の建付けとしては、昨年と似ています。パッと目に付く違いとしては、補助率が2/3→1/2になったことと、補助額の上限が50万で統一されたことかと思います。
IT系の企業様から「昨年登録していたベンダーはどうなるの?」とよく聞かれましたが、これについては「オンラインで移行手続きをする(審査あり)」となりました。IT系の補助金らしく、上述の「移行」のみならず、ベンダーの新規登録や申請、報告など、ほぼすべてが電子処理となりました。補助事業者についてもITベンダーと契約後に設定される「マイページ」を通じて情報を上げることになります。
一方、マイページの作成権限がITベンダーにしかないので、他の補助金のように外部専門家による申請書類作成支援/代行は難しいと思います。ITサービス提供会社しかITベンダーとして登録できないうえ、コンサルティングはITベンダーの提供するコンテンツの一部として登録することになるので、例えば中小企業診断士などは、ITベンダーとコンソーシアムを組んで補助事業者をご支援するスキームになりそうです。
他に目新しいところとしては、昨今の情報セキュリティリスクを勘案したのか、ITベンダーに対し、補助事業者の「中小企業の情報セキュリティ対策自己宣言書「SECURITY ACTION」の登録と、サイバーセキュリティ対策の提供を求めています。
サイバーセキュリティ対策といっても、重厚長大なものではなく、エンドポイントセキュリティを重視し、アンチウィルスソフトの導入やランサムウェアなどへの対応といったものとなっています。
本格的にセキュリティ対策を導入すると、それだけで補助金の範囲を大きく超える可能性があるので、やむをえないのかもしれません。
ITベンダーを検索するWebサイトも手直しし、ITシステムの導入を検討している事業者からも、自分たちの課題を解決できるITシステムを持つベンダーを検索しやすくしたそうです。確かに現行のものは、東京23区エリアで検索すると、リストを絞り込めずに苦労しました。
第1回の交付申請期間は4/20~6/4、事業実施期間は交付決定日(6/14予定)~9/14を予定しています。
「第1回」とあることからわかるとおり、第2回も計画されています。その後も予算を消化するまで繰り返し募集するそうです。つまり、第1回目で落ちても、数回のリベンジ可能ということですね。