(一社)日本地域経済再生機構が主宰する「中小企業の政策を考える会・勉強会」に参加してきました。
今度の場所は参議院会館。先日のマミーズサミット・全国大会の隣の建物です。
前半はJICAの方に「中小企業が海外進出の時に活用できるODA」というタイトルで、JICAが行っている中小企業海外展開支援事業のうち、途上国進出に関連した「基礎調査」「案件化調査」「普及・実証事業」について説明していただきました。
これらの事業は、海外展開を本気で考えている中小企業を支援するものであり、途上国側のニーズと中小企業の技術や製品がマッチした場合、前述の調査や事業をJICAからの委託事業として行うものとなります。応募は毎年10月と3月の応募期間中に所定の資料を提出して提案するとのこと。最近の倍率はおよそ3~4倍とのことなので、ハードルは少し高めです。
中小企業が提案した企画が通った場合、活動経費が委託費として支払われます。委託費の上限は「基礎調査」で850万円、「案件化調査」で3000万円、「普及・実証事業」で1億円。中小企業側の人件費は出ないものの、現地宿泊費や専門家派遣費用などは経費として認められるとのこと。これだけあれば、かなりのことができるように思います。
個人的に、本件で面白いと思ったのは、本件はJICAの事業という位置づけとなるのため、通常であればなかなかお会いできないような政府高官や行政関係者と直接コンタクトして提案や交渉などが行えるとのことです。
後半は「案件化調査」を使ってカンボジア進出を図っている「iLBRiLLE」の加藤社長から、その活動内容について具体的に教えていただきました。
当社は資本金1,000万円、従業員約10人の小規模事業者ですが、自社製品を輸出して販売するだけではなく、日本で生産すると高価になる洗浄成分の生産含めてカンボジアで行なおうとしているとのこと。
詳細は省略しますが、農業、工業、商業の各省トップと調整したり、カンボジアとタイの大学と連携したりと七面六臂の活躍でした。カンボジアでは「シルクマン」と呼ばれており、先日フン・セン首相が来日した際にもお会いしていたそうです。
加藤社長は苦労話はあまりされませんでしたが、順調な道のりではなかったことは随所ににじませていました。中小企業診断士はこのような活動のご支援もできます。もしご要望がございましたらご相談ください。