2019年3月15日に、「<新しい化学物質規制は欧州から始まる!>化学物質規制の最新動向2019」と銘打ったセミナーに登壇しました。法規制の話はとかく難しい話になりがちですが、講義の間に紙芝居形式のストーリーを入れていることで「わかりやすい」というコメントを多くいただいています。
新任担当者向けと位置付けたセミナーですが、おかげさまで評判も高く、規制情報のアップデートしながら3回目を行うことができました。(紙芝居を取り入れたセミナーに興味のある方は、紙芝居型講師協会も覗いてみてください)

セミナーは、1)化学物質規制の”これまで”、2)主要各国の規制の”今”、3)これから予想される規制の動き、4)主要各国の規制の調べ方、という4章からなっています。

Contents

1) 化学物質規制の”これまで”

日本の毒劇法や化審法に始まる「ハザード管理」と、1992年のAgenda21を転機として始まった「リスク管理」について、歴史的な流れや各々の規制の考え方についてお話しました。ハザードとリスクというのは一般の方には馴染みのない概念かもしれませんが、「道端で遭遇したトラ」と「動物園の檻に入っているトラ」を例に説明しました。
また、グローバルなものづくりが行われている影響で、REACH規則やRoHS規則といった欧州発の規制が世界各国に波及していくことをお伝えしました。

2) 主要各国の規制の”今”

欧州、北米、東南アジア諸国、日本といった主要各国の、現在の化学物質法規制の概要を説明しました。
初めてリスク管理による化学物質規制を体系立てたのは欧州のREACHであり、続く各国がその制度をまねていること、また各国の法令名の”通称”にREACH、RoHSという言葉が使われていることから、この分野における欧州の影響力の強さがわかります。

3) これから予想される規制の動き

ナノ物質や残留汚染、環境ホルモンなど、欧州で規制強化の動きがあるものをお伝えしました。また一例として、いま日本でも話題になっている「海洋汚染プラスチック」や「マイクロプラスチック」に、どんなパワーバランスがあるのかお話しました。

4) 主要各国の規制の調べ方

欧州、北米、東南アジア諸国、日本の法規制をインターネットで調べる方法と、外国語のサイトを調べるちょっとしたコツをお伝えしました。

現在はニッチな分野かもしれませんが、今後も化学物質に関する法規制は強まっていくと想像できます。実際、2016年の労働安全衛生法の法改正では、化学業界だけでなく、商社や食品分野などの企業も規制対象となっています。いま困っている方、よくわからないけど不安がある方、もしよろしければご相談を承ります。